瓦屋根から雨漏りが発生する原因とメンテナンス方法について説明
「瓦屋根なのに雨漏りが起きた」と驚く方は少なくありません。瓦は耐久性が高いイメージがありますが、屋根全体の構造や周辺部材の劣化によって、思わぬところから水が浸入することがあります。
この記事では、瓦屋根で雨漏りが起きやすい原因の種類、見落とされがちな劣化箇所、自分でできる点検の目安、そして適切なメンテナンスと修理方法の選び方まで、順を追って解説していきます。「修理すべきかどうか迷っている」「どこに問題があるのかわからない」という方の判断材料になれば幸いです。
瓦屋根って丈夫じゃないの?それでも雨漏りが起きる理由
瓦屋根は日本の住宅に長く使われてきた、歴史ある屋根材です。「丈夫で長持ち」というイメージを持っている方も多いでしょう。実際、瓦そのものの耐用年数は50〜100年ともいわれており、適切に管理すれば非常に長く使い続けられます。
ただ、ここで押さえておきたいのは、屋根の防水性能は瓦だけで保たれているわけではないという点。瓦屋根は、瓦・防水シート(ルーフィング)・野地板・漆喰といった複数の部材が組み合わさって、はじめて雨水をしっかりと防ぐ構造になっています。
瓦自体の耐久性・屋根全体の構造について

瓦屋根がどんな建材で出来ているかを見てみましょう。
🔵瓦は、まず、それ自体の耐用年数が長い屋根材です。粘土瓦、セメント瓦、モニエル瓦など種類は色々。
ものによって塗装メンテナンスをするもの・塗装はしないものがあります。
🔵屋根下地は基本的に木材の板が使われています。
🔵ルーフィングは、瓦の下に敷かれている防水用のシート(築年数が長い屋根は敷かれていない場合も)。
瓦を通り抜けてきた雨水を最終的に受け止める役割を担っています。
築年数の長い家屋では、杉の皮や粘土が使われていることも。
🔵漆喰は棟(屋根の頂点)周囲の瓦を固定・防水するために使われるペースト状の素材です。
これらのうち一つでも劣化が進めば、瓦が問題なく、無事な状態であっても雨漏りが発生することがあります。
つまり「瓦に問題がないから大丈夫」という判断は、必ずしも正しいとは言えません。
屋根全体の状態を点検・把握することが、雨漏りの予防と早期発見には欠かせないのです。
雨水の浸入ルートは一か所とは限らない
雨漏りの修理は単純ではなく、雨水が浸入している場所と、室内に症状が現れる場所が一致しないことが多いです。「天井の中央にシミがあるから、真上の瓦が原因だろう」と思っていたところ、実際には数メートル離れた棟部分から水が入り込んでいた、というケースも珍しくありません。雨水は瓦の隙間から入り込んだあと、防水シートや野地板の傾斜に沿って横方向にも流れながら、予想外の場所から室内に達することが。
症状の出ている場所だけを見て原因を判断するのが難しいのが、屋根の雨漏りの特徴のひとつ。
雨漏りの起こり方によっては、職人の目だけではなく散水調査や赤外線調査などで徹底的に検証する必要があります。
当社では、雨漏りのご相談をお受けした際は、専門的な調査で状態をご報告しております。
次のセクションでは、具体的にどこから雨漏りが起きやすいのかを見てみましょう。
瓦屋根の雨漏り、どこから起きていることが多い?

瓦屋根の雨漏りには、よく見られる原因箇所がいくつかあります。
ご自宅の屋根と照らし合わせながら読んでいただけると、状況の把握に役立つかもしれません。
瓦のひび・割れ・ズレ
最もイメージしやすい原因が、瓦そのもののひびや割れでしょう。
飛来物による衝撃、地震の揺れ、あるいは長年の経年劣化によって、瓦にひびが入ることがあります。小さなひびであっても、そこから雨水が少しずつ浸入し続けることで、下地の防水シートや野地板にもダメージが蓄積されていきます。
また、台風や強風による瓦のズレも見落とされやすい原因です。瓦がわずかにずれただけでは、地上からは気づきにくいことも多く、「台風の前後は特に屋根の状態を確認する」という習慣が重要です。
漆喰の劣化・剥がれ
漆喰は棟瓦(屋根の頂点に並ぶ瓦)を固定・密閉するために使われる素材で、雨水が棟の内部に入り込むのを防ぐ重要な役割を担っています。ところが、漆喰は一般的に10~15年程度で劣化が進む目安です。ひびが入ったり、剥がれ落ちたりすることで、雨水の侵入口になってしまいます。

↑ ひびが入って割れている漆喰です。
漆喰の劣化は、地上からは確認しにくいのが厄介なところです。外壁や雨樋のまわりに白い欠片のようなものが落ちていたり、棟部分の瓦に違和感があったりする場合は、漆喰の状態をチェックしてもらうとよいでしょう。
棟部分の崩れ・歪み
棟(むね)は屋根の頂点や、複数の屋根面が合わさる接合部のことです。
屋根の中でも特に風圧や地震の影響を受けやすい場所で、経年とともに棟瓦がずれたり、崩れるリスクがあります。
棟の崩れは、見た目でわかるほど大きく変形している場合もありますが、内部からじわじわと進行していて、外から見ただけでは気づきにくいケースもあります。代表的な工事は、棟の「積み直し」工事でしょう。
棟部分の異変は雨漏りに直結しやすいため、定期的な確認が大切です。
防水シート(ルーフィング)の劣化

防水シートは、瓦屋根に限らず、屋根において雨水に対する最後の防衛ラインです。
瓦を通り抜けた雨水をこのシートが受け止め、下地に浸ませず、軒先まで排水する仕組みになっています。一般的な防水シートの耐用年数は20年程度であり(種類によります)、それを超えると破れや剥がれが生じて防水機能が低下します。
防水シートの状態は外から目視できないため、劣化が進んでいても気づきにくいのが特徴。
築年数が20年を超えている瓦屋根では、瓦の状態だけでなく、防水シートの状態も含めた総合的な調査が必要になってきます。
谷部分・取り合い部分の詰まりや腐食
屋根の谷とは、二つの屋根面が合わさるV字型の部分のことで、雨水が集中して流れ込む場所です。ここに設置されている谷樋(たにとい)という板金が落ち葉やゴミで詰まったり、長年の使用で腐食・変形したりすると、雨水があふれ、雨漏りの原因になります。
また、屋根と外壁の接合部や、別の建材が交わる「取り合い部分」は、シーリング材(防水のための充填材)で塞がれています。ただ、このシーリングも紫外線や雨風で劣化して隙間が生じることがあります。谷や取り合いは雨漏りが起きやすい要注意ポイントです!
自分でも気づける?瓦屋根の劣化サインを知っておこう
専門家に点検を依頼する前に、日常的に自分でも確認できるサインがあります。すべてを把握しなくてもよいのですが、「こういうサインが出たら要注意」という目安を知っておくだけで、早期発見につながりやすくなります。
地上から確認できる劣化のサイン
地上や窓から確認できる劣化のサインもあります。双眼鏡を使うのを試してみてもよいでしょう。
まず確認したいのは、瓦のズレや明らかな割れ・欠けです。次に、棟部分が波打つように歪んでいないか、あるいは外壁や雨樋のまわりに白いものが落ちていないか(漆喰の剥離のサイン)も見ておきましょう。雨樋に瓦の破片、砂、苔が大量に詰まっている場合も、雨樋の清掃が必要なサインです。瓦の色褪せが特に気になる場合なども、瓦の種類によっては塗装が必要なサインかもしれません。
室内から気づける雨漏りのサイン

室内では、天井や壁のシミ・変色・壁紙の浮きが代表的なサインです。
雨が降った翌日に湿気やカビ臭が気になる場合も、天井裏や壁内での雨漏りを疑ってみてください。
ただし、冬場の結露とは区別して考えることが大切です。結露は窓ガラスや外壁面など温度差が生じやすい場所に発生しやすいのに対し、雨漏りは雨が降ったあとや、降雨翌日に症状が現れやすいという傾向があります。シミが出ている位置や発生するタイミングを記録しておくと、業者に相談する際に役立ちます。
点検に適した時期
屋根の状態を確認するタイミングとして特に意識しておきたいのは、台風シーズン前後(6〜10月ごろ)です。大雨や強風のあとは瓦のズレや棟の崩れが生じやすいため、見える範囲でもよいので一度確認してみましょう。
また、大きめの地震のあとも、瓦のズレが起きている可能性があります。築20年を超えた頃は防水シートや漆喰の劣化が本格化しやすい時期でもあるため、こういった節目を目安に専門家による点検を受けておくことをおすすめします!
瓦屋根のメンテナンス:何をどのくらいの頻度ですればいい?
「メンテナンスが必要なのはわかったけれど、具体的に何をすればいいの?」と疑問をお持ちの方も多いでしょう。瓦屋根に必要なメンテナンスの内容を整理してみます。
定期点検の目安と内容

まず基本として、5〜10年に一度は専門家による屋根点検を受けることをおすすめします。点検では、瓦の状態(ひび・割れ・ズレ)、棟と漆喰の状態、防水シートの状態、各部の詰まりや腐食がないか、釘の抜けがないか、取り合い部分のシーリングの劣化などを総合的に確認します。
近年は、ドローンを使った空撮調査やサーモグラフィーによる温度分析を取り入れている業者も増えています。寝屋川市屋根雨漏り修理センターでも、こうした機器を用いた詳細調査を行っています。これらを活用することで、目視では見えない防水シートの劣化や、水分が浸透している箇所を高い精度で特定できるのです。
漆喰の補修・塗り直し
漆喰補修は、瓦屋根のメンテナンスの中でも特に重要な項目のひとつです。
ひびや剥がれが確認された場合は、早めに補修しておくことで雨漏りを防ぐことができます。
既存の漆喰を丁寧に除去してから新しい漆喰を詰め直す工程が基本です。放置してしまうと、棟瓦全体の積み直しという大きな工事が必要になるケースもあるため、早期対応がコストを抑えるポイントになります。
瓦のズレ・割れの補修
瓦のズレや割れが1〜2枚程度であれば、部分的な補修で対応できることが多いです。割れた瓦を同じ種類の瓦に取り替えたり、ずれた瓦を元の位置に戻して固定したりする工事は、比較的短期間で完了します。
ただし、広範囲にわたってズレや割れが見られる場合、あるいは防水シートの劣化も同時に進んでいる場合は、部分補修だけでは根本的な解決にならないこともあります。補修の範囲と防水シートの状態をセットで判断してもらうことが大切です。
棟の積み直し・取り合いのシーリング打ち直し
棟の崩れや歪みが進んでいる場合は、棟を一度解体して再施工する「棟の積み直し」という工事が必要になります。棟を構成する瓦・漆喰・下地の土を丁寧に撤去し、新たに積み直すことで、雨漏りの根本的な原因を取り除くことができます。
取り合い部分のシーリングは、一般的に10年前後で劣化が進むとされています。打ち直しのタイミングが来たら、他のメンテナンスと合わせて同じ足場を使って行うことで、足場の設置費用をまとめて節約できるというメリットもあります。複数のメンテナンスをまとめて行う「まとめ工事」は、コスト面でも効率的な選択です。

↑ 棟板金の三叉部のシーリングが劣化しているようすです。
修理方法の選択肢、どれを選べばいい?
雨漏りの修理を業者に相談すると、「部分補修」「葺き替え」「カバー工法」といった選択肢が出てくることがあります。それぞれの特徴と、どんなケースに向いているのかを整理しておきましょう。
✅部分補修で対応できるケース
被害の範囲が限定的で、防水シートがまだ健全な状態であれば、部分補修で対応できる可能性が高いです。割れた瓦の交換、漆喰の補修、ずれた瓦の修正といった工事は、費用も工期も比較的抑えられます。
ただし、「今回の雨漏りは止まっても、近いうちに別の箇所から再発するリスクがある」という場合は、部分補修を繰り返すよりも全体的なリフォームを視野に入れたほうがトータルのコストを抑えられることもあります。業者に現状を総合的に評価してもらった上で判断することをおすすめします。
✅葺き替え工事が必要なケース
葺き替えとは、既存の瓦や防水シートをすべて撤去し、新しい屋根材と防水シートを施工し直す工事のことです。費用と工期はかかりますが、屋根全体を根本的にリセットできるため、長期的な安心感につながります。
築30年以上で防水シートの全面的な劣化が疑われる場合、または広範囲にわたって損傷が見られる場合は、葺き替えが適切な選択肢になることが多いです。葺き替えの際には、従来の重い瓦から軽量な屋根材に変更することで、建物への負担を軽減できるという選択肢もあります。
寝屋川市での葺き替え工事施工例
過去の施工例を軽くご紹介致します!
築50年以上の瓦屋根のお住まいで「天井から土のようなものが落ちてきた」とご相談頂きました。
調査を行うと、経年劣化で屋根の下地材まで傷んでおり、葺き替えが必要な状態と判明。

職人が手作業で1日かけて瓦を全撤去します。

傷んだ屋根下地材に、新しい木材を取り付けて強度を与えます。
その後、写真2枚目のように「野地板」という下地材を張りました。土台はこれで完成です。

野地板を覆うようにして防水シート(ルーフィング)を施工。
今回採用したのは、お客様のご要望に基づき遮熱タイプの製品となっています。

そして、錆びに強く屈強なガルバリウム鋼板屋根材「スーパーガルテクト」を施工。
シェイドチャコールという落ち着いた色をお選びになり、以前の瓦屋根のような上品な佇まいを再現。
瓦と比べて約10分の1という圧倒的な軽量さ(スーパーガルテクト)で、耐震面も安心です。
防水シートの遮熱性能に加え、ガルテクトは断熱材一体型のため、室温対策もできるでしょう。
▷元記事:寝屋川市にて雨漏り修理・屋根修理〈瓦屋根の葺き替え工事〉
カバー工法は瓦屋根に使えるの?
カバー工法は、既存の屋根材の上から新しい屋根材を重ねて施工する工法。
葺き替えと比べて処分費用が少なく、工期も短い点がメリットです。
ただし、瓦屋根へのカバー工法は基本的に不可能というのが実情です。凹凸が大きくカバーに向いていないほか、瓦自体がすでに重い素材のため、その上にさらに屋根材を重ねると建物への負荷が大きくなりすぎるのです。
業者に依頼するとき、何を確認しておけばいい?
修理方法の選択と同じくらい大切なのが、依頼する業者選びです。
瓦屋根の工事は専門的な知識と技術が必要なため、業者によって仕上がりや再発リスクに差がかなり出ます。
✅調査・見積もりの段階で確認すること
まず確認しておきたいのは、「現地調査をきちんと行ってくれるかどうか」。屋根に上らずに見積もりだけ出してくる業者や、調査結果を写真や図で説明してくれない業者は、原因の特定が不十分なまま工事を進めるリスクがあります。
見積書の内容にも注目しましょう。「工事一式〇〇万円」のように内訳が不明な見積もりより、工事の種類・使用する材料・数量・単価が明確に記載されているものが安心です。追加費用が発生するケースについても、事前に説明があるか確認しておくとよいでしょう。
✅瓦屋根に精通した業者かどうかを見極めるポイント
瓦屋根の工事には、専門的な技術が求められます。業者を選ぶ際には、例えば「一級かわらぶき技能士」など国家資格を持つ職人が施工にあたるかを確認することが、一つの判断基準。これは、屋根工事に必要な技術と知識を有することを証明する資格です。当社では「一級かわらぶき技能士」「一級建築板金技能士」「一級塗装技能士」等の有資格者が施工にあたらせて頂きます。雨漏り調査・屋根工事全般を、自社施工(下請けに投げない)で安定したクオリティで提供致しております。
瓦屋根の施工実績が豊富かどうか、地域に根差して長く営業しているかどうかも、信頼性を測るポイントです。
✅保証内容と工事後のフォロー体制
工事後の保証内容も、業者選びにおいては大切でしょう。保証期間が明示されているか、保証書を書面で発行してもらえるか、再発した場合の対応方針が明確かどうかを、依頼前に確認しておきましょう。口約束は効力を持たないため注意してください。当社では最大15年の保証をお付けしています。
地域密着型の業者であれば、工事後も顔の見える関係でメンテナンスや点検をお願いしやすいというメリットもあります。「困ったときにすぐ相談できる」という環境は、長く家を守っていく上でとても心強いものです。
まとめ

瓦屋根は耐久性の高い屋根材ですが、屋根全体の防水機能は瓦だけで成り立っているわけではありません。防水シート・漆喰・棟・谷樋といった部材が連携して初めて雨水を防ぐ構造になっているため、それぞれの定期的なメンテナンスが欠かせません。
雨漏りの原因として多いのは、瓦のひび・ズレ、漆喰の劣化、棟の崩れ、防水シートの経年劣化、谷部分や取り合いの不具合です。室内にシミが出てからでは、すでに下地へのダメージが進んでいることも多く、「気になるサインがあれば早めに専門家に相談する」という姿勢が、修理費用を抑え、家を長く守ることにつながります。
修理方法には部分補修・葺き替え・カバー工法がありますが、どれが適切かは屋根全体の状態と築年数をふまえて判断する必要があります。信頼できる業者に調査を依頼し、納得のいく説明を受けた上で選択することが大切です。
瓦屋根の雨漏りや劣化が少し気になっている方は、寝屋川市屋根雨漏り修理センターにお気軽にご相談くださいませ。
ドローン・サーモグラフィーの技術と、国家資格を持つ職人の目による詳細調査に自信を持っております!
原因を正確に特定し、「一級かわらぶき技能士」が責任を持ってご対応致します。
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